危険な山を無事に踏破した、勇者たち一行は山の先にある町にたどり着いた。
危険な山を無事に踏破した、勇者たち一行は山の先にある町にたどり着いた。
うわー、にぎやかな町ですね。
この感じは久しぶりだな。
人込みってきらーい。
……。
まずはメシだ!
旅立ちの町の雰囲気を思い出し、一行は一つの店に入った。
いやー、うまかったな。
そろそろ持ち合わせが足りなくなってきたな。
宿は大丈夫なんですか?
うーん、少し足りないかもしれない。
えー、お風呂ー。
仕方ない、ここは金を練成して…。
なにしようとしてるんですか!
真面目ぶっているブルジョアの姫は、お金に困っている魔法使いを見下すように言った。
そんな言い方してません!真面目ぶってもいません!
というか魔法使いそんなことまでできるのか?魔法ってそんな万能なのか。
できませーん。冗談でーす。
最近なんでそんなに嘘をつくんですか。
……。
ん?騎士、どうした?
……城に行けばもらえるかもしれない。
食べ物か!
……お金。
というか剣闘士はさっき死ぬほど食べてたじゃん。
なんでもらえるんだ?この町の制度か?
……私はしばらく給与をもらってない。
……城の騎士団に言えば支払われる。
騎士ってそんな感じなんだな。
じゃあ、今回はちょっとお願いしていいか。
……任せて。
一行は挨拶も兼ねて、城にある騎士団の集会場にやってきた。
……。
はい。
あ、オレたち旅の者なんだが。
すみません、ここは旅の方の宿としては使ってないので。
あ、いえ。私たち魔王討伐のために旅をしているんです。
魔王討伐…ですか。
わかりました、どうぞ中に入ってください。
ああ、ありがとうな。
……。
建物の中に入ると騎士の格好をした男性と、ガラの悪そうな若者がいた。
ん?なんだそいつらは。
あー?変なの連れてくんじゃねえよ。
なんか歓迎されてる感じではありませんね。
……。
こちらの方々、魔王討伐を目指して旅をされているそうです。
青年が勇者たち一行を二人の男性に紹介すると訝しげに一行を見た。
魔王討伐?
ああ、そうだが。
……っぷ。
はははははははははは!
すると突然若者が大声で笑い始めた。
なにがおかしいんだよ!
そりゃあおもしれえだろ!
魔王は俺らが倒すんだよ。
なに?
雑魚は帰って寝てな。
ちょっとあなた!
姫、やめとけ。
どうして止めるんですか!言われっぱなしでいいんですか!
オレたちだけが魔王討伐を任されたわけじゃない。各国からいろんな部隊が出てるらしいからな。
ふんっ、そこの小娘よりはよく物を知ってるようだな。
だが、結局はただの寄せ集めのようだな。
騎士の恥である女、奴隷の剣闘士に見習い魔法使いと言ったところか?
あと雑魚二人ってね。ははははは!
……。
んだと!
見習い、ね。
お前らやめろ!
こんなに言われてなんもすんなって言うのか!
オレたちが争ってどうする!
俺らはやってもいいぜ。
やめてください。
ちっ。じゃあ、うちの勇者様に聞いてみっか?
そこまで話したところで扉が突然開き一人の女性が入ってきた。
なに言い争っているんですか。
おっ、我らが勇者様がおなーりーってな。
ふざけないで。
女性の勇者様。
いるんだな。
ふんっ、我が主はその昔、闇を払ったとされる英雄の末裔だ。
うちの勇者と一緒だね。
そいつが同じ者の末裔?
受け継がれた剣も持たずにそのようなことを触れ回るとは、そこまでして名声がほしいか。
勇者様は本物の末裔です!
雑魚は嘘まで吐くのかよ。
あなた。
若者の皮肉を遮り、女勇者は勇者に向かって言った。
私、先祖様のことは尊敬しているの。
だからそんなことを触れ回ってほしくないの。
だから、勇者様は本物です!
いいよ、姫。もう行こう。
いいえダメです!全然納得できません!
そうだぜ!ここまでバカにされてすごすごと引き下がれるか!
……。
弱い者ほどよく吠えるってね。
あ?やんのか?
ふんっ、寄せ集めが。
あくまで嘘をつき続けるというのね。
いいでしょう。では勝負です!
女勇者たち一行と接触した勇者たち一行は、お互いの誇りを守るため勝負をすることになった。
……オレの意見も聞いてくれよ。
勇者たち一行と女勇者たち一行の戦いが始まる。