コウダナオキというのは……言うまでもなく、僕の親父だ。
しかしケープとは、一体誰なのだろう。
僕と美香が見たメールは、全てこのケープと親父のやり取りだった。
いや、それよりも気になるのが、一月十日のメールだ。
開かれた画像ファイル。
そこには、僕と美香が先日見たものと全く同じものが映されていた。
それはずばり、玻璃さんの、ダーツ。
ジャイロジャストジャスパー。
不敵の均衡。
……なんだこれは……
ケン君、なんかこのメール、ヤバくない?
コウダナオキというのは……言うまでもなく、僕の親父だ。
しかしケープとは、一体誰なのだろう。
僕と美香が見たメールは、全てこのケープと親父のやり取りだった。
いや、それよりも気になるのが、一月十日のメールだ。
開かれた画像ファイル。
そこには、僕と美香が先日見たものと全く同じものが映されていた。
それはずばり、玻璃さんの、ダーツ。
ジャイロジャストジャスパー。
不敵の均衡。
単純に考えると、ケープという人物の正体は……玻璃さんってことか?
……いや、それはどうだろう。
このメールは六年前……つまり僕たちが小学生だったときのものだ。
文面的に、ケープという人物が小学生だとは思えない。
ならばケープとは……。
玻璃さんとの関係とは……。
そして、最後のメール。
これは僕が開いた最後のメールであり、そしてこのパソコンに保存されている最後のメール。
白い彼女。
それは、噂の白い女のことなのか?
バラバラにした、とはどういう意味なのか……。
様々な疑問が、謎が、僕の脳内をぐるぐると廻る。
美香の言うとおり、何かヤバい感じがしてきた……
メールを開けてしまって、本当に良かったのだろうか……?
パンドラボックスだったのか……?
すぅーーーー、
はぁーーーー
……美香、今日のところは一旦帰るよ
う、うん……わかった
僕はパソコンの電源を切って片づける。
考える時間、整理する時間が必要だ。
縫姫ちゃんに直接問いただすのも、少し待った方がいいのかもしれない。
玻璃さんのこともある。
うぅん、だめだ、やっぱり家に帰ってから考えよう。
じゃ、また明日な
……ケン君。
え……っと、私から、玻璃ちゃんに聞いてみようか?
あのダーツ……『不敵の均衡』を、どこで手に入れたのか……とか
…………
僕は少しだけ考えてから、口を開ける。
いや、大丈夫。
美香はいつも通りにいろよ
美香に、気を使って欲しくは、無いから。
そう……。
なにか、私にできることあったら、今日みたいに来てくれていいから、ね
なんだよ、珍しく優しい言葉だな。
熱でもあんのか?
あほ
言って、美香は僕に背を向けた。
……ありがとうな
美香の小さな背中にそう言って、僕は美香の家を後にした。
そして次の日、美香は学校を休んだ。