ミヤ

……

タキ

なんだよーそんな顔して。
つかお前、なんで髪そんなしてんの?

ミヤ

え、ええと……
あなたは……

タキ

はあ?なんだお前
滝沢 多岐だよ滝沢 多岐!

ミヤ

う、うそ……
こんな人が今日の……?
どう見ても不良……

タキ

あ?なんか言ったかよ

ミヤ

い、いえ……
その……

タキ

まあいいや。
早くしないと予鈴鳴るぞ?
お前が出席しないとヤバイって言うから
来てやったのに……

ミヤ

え、ええ……
入りましょう……

タキ

ふはっ!
お前、頭といい喋り方といい
どうしちゃったんだよ今日は!
頭でもぶつけたのか?

ミヤ

え、ええと……
あとで説明する……から。

ミヤ

ああもう、どうしたらいいの……!

ミヤ

……というわけで、私とあなたは
今日をずっと繰り返しているのよ。
もう何ヶ月もね……

タキ

ふうん。だから誰もいないのか。

ミヤ

ええ。
だから協力してほしいの。どうにか
ここから脱出する方法を探して――……

タキ

脱出しなくていいんじゃねえの?

ミヤ

えっ?

タキ

だってここにいれば、勉強もない
宿題もない、ダルい先公も親も
いねえんだぞ?
遊んで暮らせるじゃねえか!

ミヤ

そ、そういうわけにはいかないわよ……

タキ

なあんでだよ!
いいじゃねえかよ、自由だぜ?

ミヤ

……真面目に考えて。

タキ

ちぇ。カタブツ!

タキ

はーあ、あたしんとこのミヤは
もっと融通が利いてイイ奴だったのになー。

ミヤ

私のところのタキちゃんは
もっとおしとやかで聡明で
優しかったわね。

タキ

あ?なんだよやんのか?

ミヤ

何もやりません!

ミヤ

はあ……
先が思いやられるわ……

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