ポーラからの依頼を承諾したプレイヤーたちは、町で準備を済ませてから、航海士ニーエとともに小型船で件の遺棄船メリア・セノーラ号を目指します。
ではそろそろ今回のセッションを始めます!
いえーい!
君たちはあれから、首都ルキスラにある冒険者の店でいくつか依頼をこなしたり、
また自主的に近辺のダンジョンを探索しつつ、それなりの冒険者パーティとして活動していました。
そんなある日、君たちの所属する冒険者の店《黒鉄の翼像亭》の店主グレゴリーが
実は、俺の知人が君たちの話を聞いて、是非頼みたい仕事があると打診してきたんだ。
と告げてきます。
わざわざ俺たちをご指名か。
オレらも結構有名になってきたってことだな!
気合い入るね!
依頼主の名前はポーラといい、ここより北の海に面した町ヴァルディノで海洋学者をしている女性だと彼は説明します。
海……あまり行ったことないから、ちょっと楽しみ
それで、依頼はどんな内容なんだ?
仕事の詳細は彼女から聞いてくれとのことです。ヴァルディノまではグレゴリーが馬車便を手配してくれますよ。
学者さんかー。難しいお仕事じゃないといいけど
まあ、とりあえず行ってみようぜ。せっかくのご指名だしな
では、馬車便でヴァルディノへと到着した君たちは、その足でポーラの住居でもあるヴァルディノ海洋研究所へと移動します。
海洋研究所の門を叩くと、中からまだ若く見える好青年が現れ、
お話は伺っております。グレゴリー様の店の冒険者の方々ですね?
と告げて、君たちを案内してくれます。
(イケメンだー……)
随分礼儀正しい奴だな
(……ちょっと悔しそうにラフィーナをジト目で見る)
研究所の客間には既に、ゆるやかなローブを着込んだ妙齢の女性が座っており君たちを見ると、
ようこそ、ヴァルディノ海洋研究所へ。私が所長のポーラですわ
と挨拶します。
初めまして! ラフィーナといいます
ど、どうもー(内心ドギマギしつつ)
(恥ずかしそうに目線を逸らす)
早速だけど、依頼のお話に移りたいの。その前に、まずはあなたたちにメリア・セノーラ号の事件を説明しなきゃね
ポーラはそう言って、メリア・セノーラ号とは、数ヶ月前にロシレッタ沖で忽然と姿を絶った漂流船の名であることを説明します。
そのメリア・セノーラ号が、数日前に偶然発見されたのよ。
場所はヴァルディノ沖、このすぐ近くね。
けれどその乗員は皆、謎の失踪を遂げていたの……本当に、争った痕跡すらないのよ。
詳しく調査したいのだけど、あの海域には魔物が多くてね、曳船して港に連れてくることもできないの。
だから、あなたたちのような腕の立つ冒険者に、代わりに調査してもらおうってわけ
乗員が全員失踪とは、何とも穏やかじゃないな
やべえこわい
ポーラは君たちの後ろに控えていた青年に目線を合わせ
セノーラ号の場所まではこのニーエと、あとはこちらで雇った水夫が送り届けるわ。
報酬は、ひとり当たり1000ガメルでどうかしら? 勿論、船に残った骨董品なんかは別に買い取るわよ
と君たちに告げます。
失踪の謎も気になるし……個人的には受けたい、かな
報酬も妥当だし、いいんじゃない?
どうせ反対してもやるんだろ?
よっしゃ、この謎を解決してもっと有名になろうぜ!
よしやるぞー!(びしっと拳を掲げる)
おらー!
おー
これ毎回やるのか
(と思いながら拳を軽く小突く)
ポーラからの依頼を承諾したプレイヤーたちは、町で準備を済ませてから、航海士ニーエとともに小型船で件の遺棄船メリア・セノーラ号を目指します。
セノーラ号が遺棄されたヴァルディノ沖までの航海中、彼らの安全を揺るがすような事態は起こりません。
君たちがこの航海を退屈に感じてきたころ、甲板で望遠鏡を覗いていたニーエが海上の一点を指差し、君たちに向けて声をかけます。
見えました! あれがメリア・セノーラ号です
彼の指し示すセノーラ号は俗にブリッグと呼ばれる二本マストの小型帆船のようですが、後方マストは甲板から約3メートルばかりのところから折れ、その残骸がぼろぼろになった帆や帆桁とともに舷側の海面に漂っています。
ぼろぼろ……
見るからに遺棄船だな
ニーエが水夫たちにセノーラ号へと近づくよう号令を出したとき、突然、海上に浮かび上がるものがありました。
それは複数の魚人の群れであり、彼らは君たちの乗る小型船を転覆させようと、海面をゆっくり近づいてきます。
さっそくのお出ましね
申し訳ありませんが傭兵の方々、こいつらを追っ払って下さい!
このままではこの船もセノーラ号と同じく漂流船の仲間入りをしてしまいます!
ニーエの叫びとともに幾人かの魚人が船上へと上がってきます。
うげ、やばそー……
あまり強そうには見えないが
では戦闘です! 敵は前衛に2体ですが、それ以外にも海上には複数の魔物が存在しています。海上の魔物は直接船体を狙って攻撃してきますよ。
あっ……船を狙われるのは、まずい……
ただし、遠隔武器または魔法ならば海上の魔物の攻撃を妨害できます。
ちなみに魔物は全て同じ種類です。
とりあえず魔物知識判定するぜー。
2d6 = [4,6] = 10
では、敵は『サハギン』だと分かります。続けて先制判定どうぞ。
この先制は重要だな
2d6 = [5,3] = 8
GM:成功です、そちらの先攻で攻撃どうぞ!
ウィル:
じゃあ俺から、船上のうちの一匹を狙う
2d6 = [3,6] = 9
はい、命中します。
ダメージは……景気がいいな、クリティカルだ。14点。
いきなり半分以上食らいました……。
じゃあそのサハギンにかるーくトドメ!
2d6 = [2,5] = 7
こちらも命中です。ダメージどうぞ。
それじゃ10点だねー。
うわ、ちょうど死んだ! 吹っ飛ばされてサハギンの身体が海にぷかーと浮きました。
いけー!
姿が見えなくて、難しいけど……
2d6 = [4,6] = 10
行使、成功だね。魔法で7点のダメージ……。
はい、抵抗できずに食らいました。ですが海中にはまだまだいますね。
よし、オレも【ソリッド・バレット】で海中の奴を狙うぜ!
2d6+6 = [1,4]+6 = 11
回避できません! ダメージお願いします。
よっしゃ、11点! どうだ!
この攻撃で結構減りましたね。あと一息です。
……それでは次はサハギンのターンですよ。
かかってこーい!
まずは船上に残ったサハギンがラフィーナさんを狙います。回避力判定をして下さい。
正直、船を狙われるよりはマシだしね……
2d6 = [1,4] = 5
残念、回避できません。
物理で9点のダメージですね。
まだまだ!
あとは海中のサハギンが船に攻撃します。損傷具合は……。
2d6 = [5,6] = 11
高くない!?
あらら、ちょっとやっちゃいましたね。
(割とピンチ……?)
それでは海中のサハギンの攻撃に、どかーん、とそれなりに船が揺れますよ。
うわ、わ……!
これは、早めに決着をつけたほうがいいな
最後に、こちらのターンの終わりに海中から1体のサハギンが船に上がってきます。
それではそちらにターンを返しますよ。
2ラウンド目、
プレイヤーたちはそれぞれ前ラウンドと同じように攻撃を行い、船上のサハギン1体を倒しつつ海中のサハギンにダメージを与えます。しかし、続く敵のターンで再びGMの出目が振るい、船に大きな損傷を与えてしまいます。
そして迎えた3ラウンド目、
とにかく海中のサハギンを減らそうという作戦でナロード、ワーグナーから行動を開始することにします。ここでワーグナーの銃撃がクリティカルし、大ダメージで海中のサハギンを一気に全滅させました。ラフィーナが船上に残ったサハギンに攻撃を行い、更にウィルの刃が襲いかかります。
そろそろ終わらせるぞ
2d6 = [5,6] = 11
ひえー、当たります。
なら、ダメージは……9点だ。
ではウィルさんの一撃によって最後のサハギンもずぱっと刺身になります。
戦闘終了です!
まあ、こんなものだろう
結構危なかったかな……船が沈まなくてよかったー
君たちがサハギンの群れを追い払うことに成功したのと同時、ニーエが本船はセノーラ号へと充分接近したと伝えてくれます。
そして、水夫の一人が舷側にある手すり板からセノーラ号の甲板へと上がり、やがて戻ってくると君たちに船内の状況を説明してくれます。
どうだった……?
それによると、セノーラ号の内部には所々に浸水こそ見られるものの、まだ当分は沈没の危険性はないだろうとのことでした。
君たちは戻ってきた水夫と同じようにしてこの遺棄船の手すり板に飛び移り、甲板へと移動することができます。
よし、じゃあ行こう!
ここからが本番だな!
(おもむろに飛び移る)
お、置いてかないでー……
第2話に続く