フェネクス聡志

28年以上4万7千人以上。人間の精神や人生に関わるおしゃべり聴き(カウンセリング)の活動をしております。

その中での経験や終活、ファンタジーを戯言の文章にしたり、香りクラフト作成、ご先祖からの技法である魔睡(江戸時代は医術、現在はヒプノ)をご縁ある方に提供しています。


こちらでは戯言という短い文章のファンタジー物語をちょこちょこ書いたり、私の著書のお知らせなども致します。
2015年に全国商業出版の経験から、文章でのクリエイター活動は続けております。

フェネクス聡志で検索するとブログやホームページが見つかると思いますので私の詳しい事はそちらでご覧くださいませ。

どうぞよろしくお願いいたします。

あやかし食堂

ここは元々原住民である妖(あやかし)と戦争で勝利した人間が共存する島。戦争が終わって10年。すっかり、人間が持ってきたハイテクな技術と機械、知識によりこの島も豊かになった。妖も敗戦の経験により人間を受け入れて仲良くすることが出来るようになった。ただ、それにより失われたものもあった。それは妖の健康。人間の持ってきた恩寵は全て妖の心と身体に合うとは限らなかった。すぐ、アレルギーのような症状が出て亡くなった者。中毒を起こすくらいに乱用して依存から抜け出せなくなった者。少しずつ心身の機能が落ちて、老化も早まってしまう者。……特に、飲食物の被害が顕著だった。特に戦後5年までは。そして、島の都市部に小さな食堂がある。元々は薬を作っていた家系の妖だったが、戦時中から少ない食材で周りの健康を守りたい。と考え薬堂を食堂に変えた。この食堂を切り盛りしていた妖の双子の姉弟。特に弟は終戦後。人間の食べ物が増える中、新しい食材を妖に合うように料理の研究に励んでいた。しかし、10年が経ったある日。弟の身体に異変が生じた。認知機能の低下と歩行障害により彼は厨房に出ることができなくなった。代わりにいつもホールで持ち前の明るさとお世話好き、ちょっと料理は苦手な姉が1人でこの食堂を切り盛りすることになった。介護とお店の両立。長くは続かなかった。半年で弟の魂は旅立っていった。姉はなんの迷いもなく食堂を完全に1人で再スタートさせる事を決意した。また自分の料理を上達させる。お客様も新たに作って来る方が妖でも人間であっても元気になって欲しい。その熱意と明るさを持って今日も【あやかし食堂】の看板を出していた。『よーーし。今日もよろしくお願いしまーーっす。』

2020.08.01 連載中 (1)
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