古城を棲家にする吸血鬼レオンティウスには、リアという名の下僕がいる。血を吸われる糧として飼われているはずのリアは、主に対する敬意も畏怖も見せない困り者だった。※大人向けです。流血表現もあります。
お屋敷で働く小間使いのコートニーは、ある晩、不思議な青年と出会う。
小学校教員の久成の元に、初音という名の風変わりな嫁がやってきた。初音は一途で気立てのいい女だったが、久成はなかなかその顔を覚えられずにいた。明治時代後期を舞台にした、兄と兄嫁と妹の、奇妙さの中に息づく幸いの話。
「教えてあげようか。記憶を、封印しておく方法」――私は彼にそう言った。傷を抱えた少年少女が一歩前へ踏み出すお話。
「この子、誰?」篠宮が、写真を指差して尋ねた。一枚の写真をめぐる、恋の始まりのお話。
避暑の為、田舎町にある伯父の家を訪ねた女子大生・のどか。謎の予知夢に悩まされる彼女は、従弟の海里と共に真相を探ろうとするが――。
「気にならない? エンゼルは確実に存在してるのに、缶詰の中身を知ってるって人はいないんだよ」エンゼルを探し求める先輩と、夢や希望を信じなくなった後輩のお話。
私立高校の合格発表の日。一人は受かり、一人は落ちた。中学生の幼なじみたちが泣いて、そして立ち直るまでのお話。
「先輩は、惚れ薬がもし実用化できたら使いたいですか?」後輩から持ちかけられた話がきっかけで、恋に関する科学実験が始まる。