ー時を会議終了後に戻しましょうー
ご機嫌麗しゅう。クラスティーナ帝国女王のジュリア・メニアドスと申します。この会議には夫で帝国国王のマキデル・メニアドスと参加しております。
「よし、帰るとしようかジュリア」
「えぇ…」ふっと目をやると仲良さそうに話すエイミフ女王とシャロン女王が見えた。私も、できればあのなかに入ってみたい…と思ったことが何度もあるけれど妻は夫をたてなければならない。それは国のルールでもある。私が遊ぶなんてことをしたら違法となる可能性がある…そう思って今まで遊んだことはない。

ー帰りの馬車の中にてー
「そういえば、お前は他の女王達と交流しているところをあまりみたことがないが…対面で話すのは苦手なのか」
「いえ…そういう訳ではございません。ただ、私はあなた様の隣にいて恥ずかしくないようにと思いまして…」
「国のルールを気にしているのか?…気にすることはないぞ。少しは他の国の人と触れ合うことで学ぶこともたくさんあるだろう。国内外問わず好きに遊べばいい。」
さすが、国王…と思ったのも束の間、私はこの後地獄に突入していくのですー

ー数日後ー
「おはようございます、女王様。お着替えお手伝いします。」と世話係(大体は貴族の娘)が入ってきた。着替を済ませて髪を結ってもらっていると
「あの…女王様。実は国王様が女王様に大事な話があると…」と気まずそうに世話係の一人が話した。
「わかりました。単刀直入に聞きますが、あまりよくない話なのですか?」
「それが…噂ですが国王様が側室をつくるそうで…」
側室…別に今までの国王も側室はいる。私もそれは理解しているし、特に問題はないのでは…と思ったとき、
「側室は、城下町にある酒場にいる美人たちらしく…一度に13人も側室にするらしいのです。」
「じゅ…じゅ、13人!」歴代の国王の中でも1、2を争う…いやぶっちぎりで最多だわ。それに酒場なんて国王がいたら危ないし、一体どうして…(公務もやってないってことよね?)
「わかりました。食事の時に聞くと国王に言っておいてください。」
「かしこまりました。」

ー朝ごはんの時間にてー
「おはようございます、お待たせいたしました。」
「かまわんよ。では、話してもよいかな?」
くる…側室の話が…
「実はな…新しく貿易協定を結びたい国があってな」
え?…側室の話は?貿易協定なんて側室13人よりどうでもいいのだけど。
「すみません、少しよろしいですか?」
「なんだ?」
「側室13人についてご説明願います。」
「!?」…あぁ、側室の話は本当みたいね。顔色が急に変わった…公務もサボって…なんだか自分が惨めに見えてきた。

ジュリア・メニアドス①

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