イザベル

あっ!?

クロウド

お、おい…
急にでっかい声出して
どうしたんだよ?

思い出した!

思い出した!

思い出した!!

私イザベルは思い出した!!

急に大声で叫んだ私イザベルを
心配してくれるクロウドに
返事をしたくっても…

イザベル

あっ…
ああ…

無理!
ごめんクロウド!

だからそんな私イザベルは
やっと思い出せた大事な事に
ビビり過ぎて今度は声を碌に出せない!

…だって

それは…!

時雨

一体どうしたんだい?
イザベル

イザベル

あああああ…!

そう心配してくれる時雨博士だけど…
私イザベルは怖くて喋れない…!
今にも腰が抜けそう!
立ってるのがやっとなくらいだ!

ああああ!
もうダメかもしんない!?

何故なら
アニメでミックル達を倒せなかった
イザベルをミックル達の目の前で
処刑したのは…!

イザベル

時雨博士!!

なんだもん!!

そうだ!
思い出した!

時雨博士だ!
今の私であるイザベルがアニメで
パワーアップしたミックル達に倒され
満身創痍で助けを求め命乞いをして…

役立たず

と冷たく吐き捨てるかのように言い放ち
その後すぐにイザベルへ
レーザー銃を放ち完全に
爆死させたのは!!

そして時雨博士こそ
このY結社の総司令官!

普段は宮塚屋敷に居候として住む
一介の科学者として
ミックル達の前では澄ましてるけど

実はY結社の総司令官で世界征服すべく
ここ土器支部からこっそり本部やここ以外の支部に
司令を出してる!

確かイザベルが処刑された最終話の前の話で
イザベルの処刑のすぐ後、ミックル達の前で
時雨博士自身がそう言ってた!

イザベル

失礼しました…!
疲れ故か
少々取り乱してしまいまして…

それで…さっきは
指令を出したんですか?
本部の人達に…

私イザベルは苦し紛れになんとか
はったりかましながらの質問に
時雨博士は…

時雨

指令…?
ああ、さっきのは駄話だよ
他愛もない日常会話、雑談

そこでだけど
怪人製造や人間の洗脳も
本部は勿論、地方支部でも
ある程度、好きにさせてる

クロウド

あのー時雨博士
時雨博士は本部に
指令を出せるんですか?

さっきの本部の電話相手は
本部にいる下っ端の平結社員
なんですか?

それでもそういう奴らは
支部にいる科学者より
本部にいるもっと
上の方の言う事を
聞きそうですが…?
こっちを聞いても
絶対上の方経由で
そっちと話をつけてからだし

上の方から特別な待遇でも
されてるんですか?
時雨博士は

と、不思議そうにクロウドが
最もな事を
時雨博士に問う…

時雨

さっきの相手は
総司令官のすぐ下の役職幹部、即ち上層部だが…
しかし私からすればY結社の者
全員下っ端…

…おっと!
ゴホンゲホン!
少なくとも
さっき電話してた
本部の者たちはね
私の指令を聞く者達だ
だけどやっぱりさっきのは
他愛もない日常会話、雑談だな

そうだよ
私は上の方から
特別な待遇をされてるんだよ
ありがたい事にね

イザベル

…?

ん?
時雨博士が

『私からすればY結社の者全員下っ端』

と言った後、焦った感じになってる?
そして、それを咳払いついでに
はったりかまして誤魔化してる感じ…?

って…?
やっぱりこっちでも
時雨博士が総司令官なのか!?
アニメと同じように!!

そうじゃなかったら…

『本部は勿論、地方支部でも
ある程度、好きにさせてる』

なんて言わない!
好きに『させてる』
なんて、あたかも
そうする事をOK許可してあげてる
なんて上から目線な
言い方はしない筈!

しかも何で一介の科学者が本部を
好きにさせられるの?

そう考えたら
時雨博士がY結社の総司令官
って事だよね!?
幾ら上から特別な待遇をされるって
言っててもさ!

絶対!時雨博士がY結社の総司令官だよ!
こっちの世界線でもさ!

クロウド

支部の者共は
本部や上の方からしょっちゅう
無茶ぶりされてるから
敢えて下っ端呼ばわりして
嫌味垂れたくなるのも
わかります!

時雨

ああ、そうだね
そこも厄介で無駄手間だから
反逆を起こされないように
改善しなければならない…

って上の方にはオブラートに
包みに包んで言っておくよ

と、暢気に茶化すクロウドに
まだ誤魔化している感じの時雨博士…

イザベル

あの…
この後はどうすれば…?

時雨

今日は、今回はこれでOKだ
もう自室に戻って良いよ
どうもだ
イリュージョン装置の動きが
確認できてよかったよ
なかなかやるじゃないか2人とも

イザベル

はい、ありがとうございます
時雨博士…

クロウド

それでは俺もイザベルと一緒に
失礼します!

イザベル

ふぅ~

私イザベルとクロウドは
時雨博士から
自室に戻っても良いと許可が出たので
戻り…

バフン!!

とベッドに寝転がるけど…

イザベル

全然休まらない…

まだ部屋が慣れてないからなのかな?
地下通路を通ってきたから?
思ったよりは長くない感じだけど…?

とにかく…!

クロウド

今日はもう
ゆっくり休んだ方が良いな!
イザベル!

イザベル

ええ、本当にそうしましょう…

クロウド

でもその前に
風呂入って
歯を磨いて
スキンケアだな!
あ、ヘアケアを忘れてた!
俺の場合じゃ
全身ヘアケアかも
しんねぇけど!

今日は俺が先に風呂入るぞ!
イザベルはわりぃけど
その後だ!

イザベル

ええ、お好きにどうぞ

と、悪役令嬢らしく澄ますも
やっぱりまだ実感わかないな~

私が半世紀くらい前の女児向け特撮風アニメの
悪役令嬢…?
それも秘密結社の悪の超能力怪人?
しかもそれが
私が小さい頃好きだった否、今でも好きな
『魔女っ娘だミックル』
の、イザベルだなんて…

こうなっちゃうと
再放送も罪なものだな…
否、昔の名作が見れて
それはそれで良いんだけどさ…

はぁ…それにしてもまだ
信じらんない…
けど、家一軒立てられるイリュージョン装置に
人間一人を別の場所に送れるワープ装置…

でも、あんな御大層なもんを2つも見たら
信じるしかないのかな…?

クロウド

もう風呂出たぞ~!
入って良いぞイザベル~!

ああ、もうクロウドったら
お風呂から出たの?

イザベル

ええ、はい
では…

私イザベルは洗面所兼更衣室に入り
服などを脱ぎ…

そしてお風呂へ入り…

シャワーを浴びたり
頭や身体を洗ったりして…

ふぅ~
やっぱり秘密結社のでも
2番風呂でも
気持ちいいな~!

お風呂は!

私イザベルは
湯船バスタブに入り、いこむ
つまり湯船に浸かってるって事

とにかく今はお風呂でも入って
ゆっくり休めるとするか…

とにかくこれから秘密結社の悪役令嬢としてどうすりゃいいんだ?の後編

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