あるわ大ボケ野郎。
ちなみに大か小か？
小。
なら問題ねえな。
あるわ大ボケ野郎。
大きい方漏らす人だっているんだからね。
しょんべんならギャグで済むだろ。
違うんだよ、そういう慰めが欲しいんじゃないの。おトイレ行かせてって言ってんの！
姉さん、別に僕たちも意地悪してるわけじゃなくってさ。行かせてあげられるならそうするんだけど…
ねえ、と兄弟で顔を見合わせる。
勝手にわかり合ってんじゃねえぞ
この役立たずのチキンどもがよ。
だけどさあ！ 漏らすのとキスとどっちが重いよ！？
正直私は漏らすくらいだったらあんたらとキスくらいしてやるよ！
まあそう言われると…
わからないでもないけどな。
よっしゃあ！
風向きが変わってきたぜ！
じゃあどっちかが尿意を覚えるまで待っててもらうということで…
あと数時間もすりゃー自然と協力する気になるからさ。
あと数時間持つと思うか！？
そこは私に同情して大人しく唇を差し出すとこだろうが！！
ちょっとそこまでは…
切迫してるのは僕じゃないから…
カイが冷たい！
こんな薄情者に育てた覚えはない！
もういいあんたたちが乗り気じゃなかろうが構うもんか！
カイ！ そこに座って目ぇ閉じな！
立場的に弱い方に水を向けるのはパワハラだしセクハラだよ姉さん。
今の私に水とか言うなよ反応しちゃうだろ！
それで反応すんのはザコの膀胱だろ。
リクうるさーい！
私はおトイレに行きたいんだーい！！
さすがに切羽詰まってきた。
しかしそのおかげで希望も見えた。
ピンチにのみ発現せし力・火事場の馬鹿力。
私は今まさしくピンチにある。
今なら目覚めしこの力で
ドアだって壊せるはず…！
