ホームから逃げ出した二人は、山奥にいた

銀執事

な、なんだったんださっきのは…!

紅夜

怪奇現象ってレベルじゃねえぞあれ!!!

銀執事

ほんとに異世界にきたみたいだよね…
というか結構山奥まで来ちゃったみたいだけど、これからどうする?

紅夜

どうするもこうするも何もないしな…
まあ一応このまま歩いてみるか

銀執事

そうだね。何があるかわかんないし取り合えず探索するとしようか

少し歩くと、廃墟らしき建物の姿が見えた

紅夜

お!建物だ!
やっと人工物が見えて一安心だな

銀執事

でも明らかに何年も利用されてない廃墟だね

紅夜

ガラスも割れてるしな。
所々焼けた後があるみたいだから火事があった後みたいだな…
ゾンビとか出そう…

銀執事

怖い事言わないでよ!!

紅夜

ごめんごめん、さっきから変なこと起きすぎてゾンビの1体や2体出てきても、もう驚かないかなって

銀執事

驚くわ!!めっちゃ驚いて食われる前に自分がゾンビ食うわ!!

紅夜

ある意味お前が一番怖いよ!!!

銀執事

まぁゾンビは出ないとしても、今までの出来事から考えると何かありそうだよね

紅夜

うーん…怖い思いをした後だから気が引けるけど、何かしら手がかりとかあるかもしれないし入ってみよっか

銀執事

そうだね…

建物の扉は開いており、二人はゆっくりと建物内に入った

紅夜

えっ

銀執事

ドアが勝手に閉まった…?

紅夜

ええええ

紅夜は閉まった扉を開けようとするが、ビクともしなかった

銀執事

…閉じ込められた…?

紅夜

まじかよ…勘弁してくれよ…

銀執事

裏口とか他に出られる所あるかもしれないし周辺調べてみようよ

紅夜

だな

中を懐中電灯で照らすと、そこには左右1つずつに扉があり、真ん中に大きい鉄扉があった

銀執事

何だここ?
家でもないし病院でもなさそうだけど…

紅夜

鉄扉あるし工場か何かか?
一応開いてみるか…

鉄扉を開けようと二人は手をかけるが、開かなかった

銀執事

固!!

紅夜

なんだ?鍵を差し込む所もなさそうだし…
錆びてるのか?

銀執事

…いや、これは機械で作動するタイプだと思う。
どこか機械の管理室でもあるんじゃないかな?

紅夜

さっきまで”驚いてゾンビ食う!”とか言ってたヤツの台詞じゃねぇ…
そういや大学って理工学?機械工学?だったんだっけ。俺、機械オンチだし任せるわ。

銀執事

強いて言うとそれ以外取り柄ないからね

紅夜

俺は医療しか取り柄ないしお互い様だな

銀執事

医療しかって…十分すごいと思うけど。
鉄扉は今のところ開く気配ないし、どうする?

紅夜

右の部屋行ってみようぜ

右の扉に鍵などはかかっておらず、容易く開くことができた

扉を開いたその先には机や椅子、ホワイトボードなどがあった

銀執事

暗い上に散らかっててわかりにくいけど…会議室とかだったのかな?

紅夜

多分…
特に変わったものもないな。
無造作に机と椅子が転がってるだけって感じ

銀執事

ロッカーあるし一応調べとくか

錆びきったロッカーを開くと、中には古そうな掃除用具や工具などがあった

紅夜

虫とか出てきそうで嫌だなこれ。
お!バールあるじゃん。すげえ古そうだけどいざという時のために持っていこうっと

銀執事

振り回したりしないでね?
んー…あれ?この赤いカード…
一応持っていこ

紅夜は古いバールを、銀は赤い謎のカードをロッカーから取り出した

紅夜

………このバールで窓ガラス割ったら外出れるんじゃねえか?

銀執事

んっ?

そう言うと、紅夜は部屋にある窓ガラスに勢いよくバールを振った

ガンッ!!!

紅夜

結構本気でやったのに窓ガラスに傷一つ付いてねえ!!!

銀執事

突然気が狂ったのかと思ってビックリした…

紅夜

いやいや、ビックリするとこそこじゃないから!ここの窓ガラスだから!

銀執事

強化ガラスだとしてもここまで傷つかないのはおかしいな…
窓ガラスからは出られないってことだね。

紅夜

ほんとに閉じ込められてんな俺たち。
ここにはもう何もなさそうだしもう一つ、左にあった部屋行ってみようぜ

銀執事

うん

会議室らしき部屋から出た二人は、もう片方の鍵が開いている部屋に足を踏み入れた

その部屋には大きな機械装置がいくつかあった

紅夜

機械室か?

銀執事

なんだか余計にここの建物が一体なんだったのか不思議だな…ってうぉおお!?

銀は足元にあった瓦礫で足を躓き、勢いよく目の前の機械にぶつかった

その衝撃で何かのボタンを押して機械が作動し、部屋の電気がついた

紅夜

何!?何をしたんだ銀!?

銀執事

よくわかんないけどブレーカーにぶつかったみたい…その衝撃で作動して…
それよりこんな廃墟みたいな所なのに電気供給されてるってことに驚いたわ

紅夜

まさか廃墟だと思ってたけど人が利用してたり…?もう謎だらけだな

銀執事

でも懐中電灯の電池節約になるし、明るい方が行動しやすいから助かるね

紅夜

だな。
明るくなって改めて見てみると、この部屋機械装置あるし資料らしきものもあるし、建物の管理室か?

銀執事

こんな部屋あるなんて…工場か?
資料見るとわかるかもしれないし見てみようかな

机の上に置いてある資料には、べっとりと血がついたような痕があった

紅夜

…血?

銀執事

血っぽいね…不気味…

紅夜

ちょっと…この資料…俺の名前があるんだけど…

銀執事

待って、自分の名前もある…!

紅夜

それだけじゃない、俺の兄の名前もある。どういうことだ…?

銀執事

こんなの見覚えもないし…名前があるだけで他に何も書かれてないみたいだね。

紅夜

この建物から脱出する方法とこの資料はあんま関係なさそうだし、他を調べてみようか

銀執事

ちょっと怖いけどそれは後回しだね。
他というと…監視カメラを管理する機械と、もう一台謎の機械があるね。

紅夜

機械系はサッパリだけど一応謎の機械気になるし、行ってみるか

見たことのないその大きな謎の機械には、操作ボタンや画面が沢山ついており、長い間使用されてしなかったのか埃がかぶっていた

銀執事

んー…

紅夜

何かわかるか?

銀執事

さっき、ロッカーで手に入れた赤いカードが丁度差し込めそうな所あるし、ちょっといじってみるよ

銀はそう言うと、手馴れた様子で機械を操作し始めた

紅夜

…どうだ?

銀執事

割と簡単に操作できる感じ。
最初にあった大きい鉄扉は、さっきの赤いカードとこの機械で操作して開くみたいだよ

先程手に入れた赤いカードを機械に差し込むと、どこかで大きな音が聞こえた

紅夜

な、なんの音だ!?

銀執事

多分鉄扉が開く音だと思うけど…

紅夜

確認しに行こうぜ

最初に入ってきた道を戻り、鉄扉を確認すると、扉が開いていた

紅夜

すげええええええ
見直したぞ!

銀執事

学校で触った機械と似てたしね

紅夜

おかし300円に1時間悩んだりするのに機械は一瞬なんだな

銀執事

上げてから落とすね紅夜

紅夜

…なんか臭わない?

銀執事

え、風呂は毎日入ってるよ!?

紅夜

いや違ぇよ。なんかこう…腐った臭いというか…

銀執事

言われてみれば確かに…
腐敗臭がするね

紅夜

あんまり入りたくないけど、仕方ないし…
進もうか

紅夜が入ったその瞬間、大量のハエがこちらを目掛けて飛んできた

銀執事

む、虫ぃ!!

紅夜

うわあぁあああああああ!!!

紅夜は咄嗟に手に持っていたバールを振り回した

銀執事

えっ、ちょ、やめてええええ当たるから!当たったらそれシャレになんないから!

紅夜

ご、ごめん。
虫がすごく苦手で…つい

銀執事

ここに来て一番命拾いした気がする…

大量のハエは気が付くといなくなっていた


そして鉄扉が開いた先の部屋には電気が点いておらず、動物の死体が実験台に乗ったもの、ホルマリン漬け、本や資料などがあった

紅夜

さっきのハエや腐敗臭はこの動物の死体だったのか…

銀執事

き、気分が悪くなってきた…
よく平気でいられるね

紅夜

そりゃまあ医療系の仕事就いてたら嫌でも慣れるからな

銀執事

そ、そういうもんなのか…?

二人は口と鼻を手で覆い、その部屋の周辺を調べ始めた

紅夜

動物の生態、病気関連の本や資料があって実験台がある…動物の薬でも作っていたのか?
でもそれだとなんだかおかしい。
そうだと普通マウス実験するだろうし…ここにある死体には中型から大型しかない…うーん…

銀執事

見た感じ動物病院、って訳でもなさそうだったしね

紅夜

ここまできて、一体何をしてた所かわからないなんてな

銀執事

謎が深まるばかりだ…
ここの部屋にいると気分が悪くなるし早く出たいな

紅夜

生物の死体がある部屋に長居はしたくないよな。
パッと周りを見た感じ扉も窓もないし、この部屋からさっさと出るか

銀執事

手がかりになりそうなものもないしね。
一旦引き返…

紅夜

ん?どうした?

銀執事

なんか奥の壁、一部だけおかしくない?ほら、懐中電灯で照らしたらあの壁の一部だけ光ってるというか…

紅夜

おお、なんだあれ…

懐中電灯で照らすと不自然に光る一部の壁

不思議に思った二人はその壁に近寄る

銀執事

ここ、なにかあるのかな?

紅夜

気をつけろよ?

銀が不自然に光っている壁に触れたその瞬間、壁が回転し、下に転げ落ちた

銀執事

あああああああああああ

紅夜

ぎ、銀!!!

=3話=
終了

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