ライズ

そうか、君は学生か・・・
であれば次の休みにギルドに来ると良い
私の名前を出せば恐らく通してくれる

剣を教えてくれると言われ僕は舞い上がっていた

今まではどうあがいても自己流

ラックさんに少しは教わっていたが最近は少しつらい部分も出てきた

そこにこの話だ

乗って損は無い

・・・それに、守りたい人を守れる

クロウさん!

脳裏に浮かんだ微笑を浮かべる女の子

最近は彼女を思うとがんばれる気がする

クロウ

ええ、でしたら2日後に2連休なのでそこで行きます

ライズ

ああ、楽しみにしている

そういって彼は今度こそ立ち去った

あ、そういえば

クロウ

リーダさんたち、どうしたかな・・・?

完全に彼女たちのことを考えないでこちらに走っていってしまったせいで離れてしまった

クロウ

・・・おとなしく帰ろう

仕方なく寮まで帰ることにした

メリダ

あら、クロウ君
伝言があるわよ

寮に入ると引き止める声がする

クロウ

・・・はい?

メリダ

リーダさんから
後で部屋に来てくださいですって
若いって良いわねー

微笑んでメリダさんは部屋に引っ込んでいった

背筋に冷たい汗が感じられる

怒っているだろうなぁ・・・

クロウ

ああ・・・すでに嫌な予感が

クロウ

リーダさん、クロウです

しばらくしてからドアが開く

リーダ

クロウさん、どうして呼んだか分かりますか?

クロウ

えと、勝手に行ってしまった事でしょうか?

リーダ

それもありますけど・・・

そのとき、後ろからひょいと顔を見せるセリアさんとミラさん

セリア

あー!来ましたね?
早く早く!

ミラ

お話は中でしましょ~

クロウ

え?え?

ぐいぐいと腕を引っ張られて中に入れられる

ここリーダさんの部屋だよね?

何で2人が・・・

リーダ

まぁ・・・いいです
さぁ、座ってください

クロウ

えと・・・はい

ミラ

リーダ~
いつまでもツンツンしてると嫌われますよ~?

セリア

そうですよ、今日はリーダさんがクロウさんに料理を作りたいって言うから皆で便乗したんですから

クロウ

料理・・・あ!

その言葉に僕は思い出す

この間2人で出かけたときの・・・

覚えていてくれたのか・・・

まさか今日やるなんて思ってなかった

リーダ

まぁ、クロウさんにはいつもお世話になってますから・・・
今日はそのお礼に作りたいと思ったんです
そしたら・・・

ミラ

私たちにその話をしたのが間違いでしたね~

セリア

そんな楽しそうな話に乗らないわけ無いじゃないですか!

クロウ

皆・・・

なんだろうな・・・

クロウ

ありがとう

自然と口から出た言葉

嘘はない

ここにいると心があったかくなる気がする

それほどまでに安心できた

”パン”

大きな手を叩く音が聞こえる

ミラ

さぁさぁ~
しみったれた空気の場じゃないんです~
料理を楽しみましょう
女の子3人で作った料理ですよ~?
こんなこと普通無いですよ~

セリア

そう考えるとそうですね・・・
これってハーレムって奴ですか?

クロウ

え、いや、その・・・

リーダ

・・・そうなんですか

僕に聞かないで!

リーダさんがこっちを見る

あいにくその返答は持ち合わせていない

クロウ

りょ、料理食べましょう!ほら!ね!

誤魔化すように料理を食べ始める

あわてて食べたけどとてもおいしい

2口目からはじっくりと味わう

クロウ

おいしい

目の前に広がる料理が全部こんな感じだとすると非常に楽しみになる

リーダ

ホっ
良かった・・・

セリア

それ、リーダが作ったんですよ~

クロウ

本当ですか!?すっごくおいしいです

リーダ

~~~~!!

ミラ

うれしくって言葉も出ないみたいですね~

こうして、楽しい食事の時間は過ぎていった

2日後、剣を教えてもらう約束もした

今回の依頼はなんだかんだとても良いものだった気がする

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