リーダ

クロウさん!!

クロウ

わ、とと

ライズさんと別れて九死に一生を得た僕は皆との合流に成功した

どうやらまだ人数も多かったためそこまで遠くまではいけなかったようだ

旨に飛び込んできた衝撃に何とか耐える

リーダ

よかった・・・!よかった!!

なんと・・・!
良くぞ生きて!

騒ぎに気づいた村長たちがこちらへ寄ってくる

その中にはミラさんやセリアさんも混ざっていた

セリア

クロウさん!無事だったんですね!

ミラ

今回ばかりはと思いましたよ~

クロウ

ええ、実は・・・

先ほどのことを話す

よくよく考えたら本当に生きているのが不思議なくらいだった

クロウ

・・・ところでリーダさん

リーダ

グス・・・はい?

クロウ

そろそろ離してもらえると・・・その・・・

状況は場所は変わらず皆が寄ってきた形だ

つまり何が言いたいのかというと

・・・いまだにリーダさんは僕の腕に抱きついている

泣いていたため言いはしなかったけどそろそろ腕が

それに・・・その恥ずかしい

リーダ

・・・

一拍遅れて反応する

顔を真っ赤に染めたリーダさんはこちらを見ると

リーダ

・・・すみません

セリア

なんか甘い展開ですけど私たちも居るんですよ?

その言葉にリーダさんはどんどん小さくなっていく

なんだか小動物みたいでかわいい

もともとかわいいけどなんだか最近はさらにそう見える気がする

それにちょっとドキドキも・・・

ほっほっほ
若いといいですのう

ちょっと待ってくれ
いい雰囲気のところ申し訳ないが
君たちの話を聞くともしかして村に戻れるのか!?

え、ええ
もうオーガは居ないので大丈夫なはずですよ

よかった・・・皆聞いたか!
村に戻れるぞ!

歓声が響く

それもそうだろう、もうだめだと思っていた家に戻れるのだから

皆の顔に笑顔があふれる

あなた方・・・特にあなたには感謝しても仕切れません
このご恩は必ずやどこかでお返しします

クロウ

そんな!
お礼だなんて・・・

ミラ

いいじゃないですか~
この村の人たちにとってクロウさんは救世主みたいなものですから~

そんな大げさな・・・

ですな
今は何もできませんが・・・いずれ必ず
せめて今回は報酬を上乗せいたします
ゴブリン討伐のはずがこんなことになってしまい申し訳ございませんでした

そういって頭を深々と下げる村長からは強い罪悪感が感じ取れた

クロウ

いえ、良い経験ができましたよ
・・・このまま町へ行きますか?

折角村が救われたのでそちらに戻ります
あ、少々お待ちを

そういうと村長は紙を取り出すとなにやら書き出した

これをお持ちください
ギルドに今回のことを伝える手紙です
このたびは本当にありがとうございました

気が付けば村の皆が集まりこっちを見ていた

そのどれもが嫌な視線ではなく気持ちの良い視線であった

なんだか慣れないな・・・

小恥ずかしい気持ちを抑えて僕らは村の人たちとわかれた

セリア

・・・すみませんでした

クロウ

・・・なにがですか?

少したってから帰り道

みんなは今はディフさんの馬車に乗ってイチリンを目指しているところだった

そんな時にセリアさんが突然謝ってきた

セリア

今回何にもできなかったし・・・その
泣き叫んだりもしたし

あれは仕方ないとも思うけど・・・

ミラ

私も正直泣きそうでした~

クロウ

仕方ありませんって
あれは流石に無理も無いですよ

セリア

・・・でも

まだ納得していない様子だ・・・

どうしたものか

ディフ

みなさーん
もうすぐ宿です
今日は休んでいきませんか?

タイミングよくディフさんから声が掛かる

丁度良いし今日は休もう学校もまだ期間はある

皆の意見も一致し今日は宿で休むことにした

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