ミラ

さぁ、クロウさん!
今日はいろいろご案内しますよー

翌日

僕はミラさんと宿で朝食をとってから町へと繰り出した

上機嫌に言うミラさん曰く、ここはいろいろあって楽しいそうだ

クロウ

はい!
今日はよろしくお願いしますね

装備等は念のためそのままつけてある

盗難などの防止だ、ほかにもギルドの人たちが普通に帯刀していたりするから特に違和感はない

ミラさんと横を並んで歩いていくと第一のポイントに到着したらしい

ミラ

ここのコーヒーはとってもおいしいんですよ~

そんなこんなで僕はミラさんに連れまわされ・・・案内されて街中を歩く

お昼に差し掛かったころだろうか

町の中心にある噴水の近くに座って僕らは屋台で買ったクレープ?っていう物を食べる

とっても甘くておいしいや!

僕は食べながら噴水に目をやった

一人の男の像が噴水の中心に建っている

頭に羽飾りをつけて歳は20より少し上だろうか?

整った顔立ちで少し目が釣りあがっている

腰には剣をつけている

クロウ

ミラさん
あの像って誰なんですか?

ちょっと気になり隣でおいしそうにクレープをほおばっているミラさんに問う

ミラ

んあ?
クロウさんは知らないんですか?
鴉羽の勇者ですよ~
この国を作った人なんですよ~

鴉羽の勇者

そういえば家で呼んだことがあるな

魔法を使うときに少し参考にしたから覚えている

ミラ

世界中の争いを止めて国を作って
さらには災厄を振り払ったすごい人ですよ

クロウ

災厄?

ミラ

はい~
そもそも鴉羽の勇者は国を作った時点では特に勇者とは呼ばれていませんでした~
ですが災厄、とっても大きな黒い鳥だったといわれていますけど
それを単身討伐に行って成功したんです
そして災厄扱いされていた黒い鳥は鴉に見立てられて、頭に羽飾りをしていたことから
鴉羽の勇者、と呼ばれるようになったんですよ~

ああ、そうだ

そういえば僕の認識とこの国の人間の認識は違うんだった

僕はラックさんに聞いて知っているけれど、黒い鳥・・・神の使いは人間にはこう言い伝えられていたんだな・・・

ミラ

いまでも、鴉、さらに滅多に出ませんが鴉にそっくりの魔物である闇鴉ことを災いの種として嫌がられていますね~

なるほど、よくよく考えるとヤアタをこの町につれてくるのは危ないんじゃなかろうか?

合格してもつれてくるべきか迷うな・・・

そして闇鴉というのは本当に鴉にそっくりな魔物だ

大きな体で真っ黒い羽、さらには鋭い爪で相手を切り裂く

・・・気づいているかもしれないがヤアタが恐らくそれだ

クロウ

そうなんですか・・・

ある程度の真実を知っている身からすると少し悲しい

あの神の使いは最初から災厄扱いされてるんだから

本当はもっと・・・もっと・・・

ミラ

どうかしました~?
浮かない顔をしていますけど~?

クロウ

あ、ああ、いえ、何でもありません・・・

どうやら顔に出ていたらしい

よく顔に出ちゃうな・・・

ミラ

そうだ!この後は武器屋に行ってみませんか?
クロウさん強いからきっといい武器が必要になりますよ!

会話を盛り上げようとしてくれたのかミラさんが提案をしてくれた

いけないいけない!気を使わせてしまうなんて!

僕はその誘いに乗ることにした

クロウ

武器屋・・・ですか
行ってみたいです

ミラ

では、いきましょ~

ミラさんに再び連れられて歩くとお目当ての武器屋に到着した

クロウ

わぁ、こんなにいっぱい・・・!

ずらりと並んでいた武器に目をやる

剣から槍、果てはガントレットまで

種類豊富だ

一同

いらっしゃいませ
どのようなものをお探しで?

クロウ

ああ、剣をちょっと見てまして

店員さんがこちらのほうへ来てくれた

値段的にも買えなくはないのだが帰りの日銭もあるので今は見るだけで買うつもりはない

ただ、どんな剣があるのか見ておきたかっただけだ

一同

では、こちらはどうですか?

店員さんが何本か見繕ってくれた

持たせてもらったけど・・・どうもしっくりこない

今もっているのが一番持ちやすいし使いやすいかなぁ・・・

結局ほしいものは見つからなかった

・・・いや、今日は買うつもりはなかったのだが

でも意外と長い時間いたらしく外に出てみるともう夕方だった

明日のこともあるので僕らは早めに宿に戻ることにした

クロウ

今日は楽しかったです、ありがとうございました!

ミラ

こちらこそ、ありがとうございました~
とっても楽しかったですよ~
明日はお互いがんばりましょうね~

そう、明日は試験だヤマト学院の

筆記は問題ないんだけど実技はどうだろうか・・・

クロウ

あはは・・・
正直実技が不安です・・・

ミラ

実技は確か、試験官さんとの組み手らしいですよ
勝ち負けでなくどれだけ出来るからしいです

クロウ

そうですか、組み手かぁ
うまく出来るといいけど・・・

ミラ

はい、私もそっちは不安です~
筆記はどうにでもなるんですけどね~
あ、明日も学院まではご案内しますよ~

クロウ

あ、ありがとうございます
お願いします~

といっても・・・といってミラさんは言葉を続ける

ミラ

あそこに見えているのがそれなんですけどね~

ミラさんは北側にあるお城の少し東にある大きな建物を指差した

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