二ページ目にもアクアマリンの歴史が続き、三ページ目に顔写真と容姿の詳細が記されていた。

 俺は、もう一度先ほどサンザシが指した言葉に目を落とす。

巨大焼却炉に隠れていたダミー……この意味がよくわかんないんだよね

 サンザシは何も言わない。

 それもそのはず、ページをめくると、ダミーと言うその言葉の意味がかかれていた。

青い宝石のダミーについて……五十年前から現在まで、彼女は自身のダミーを複数作成し、様々な町に潜伏。

五十年ってすごいな。

現在は、ここ、雨見屋町に潜伏中……壊してみないとわからないほどの、精巧なマシーン……だってさ。

ちなみにそのダミーに、殺傷能力はないと見られている

先ほど、シグレさんはこの魔女さんのことを機械好きの魔女だって言ってましたね

ああ、それはきっとこのことを指しているんだろうな……

 その後のページは、この町の地図と、アクアマリンがいるかもしれない潜伏場所が細かく書かれていた。

なになに……こっそり偵察に行くと、ばれちゃうんだってさ。

そんで、別の場所に隠れてしまう。

殲滅の準備を万全にした上で、一発勝負で捕まえないといけないって書いてある

どれどれ……なるほど、どうやら半径五メートル範囲に入ると気がつかれるようですね。

気がつかれても逃げないように、取っ捕まえる……よく三人なんていう少数精鋭で捕まえようとしていますね。

何か策があるのでしょうか

さあ……

 その策は、次のページに分かりやすく書いてあった。

殲滅方法は、包囲マシーンの使用……分かりやすい名前だな。

そのマシーンは……なんと、すごい機械だぞ、サンザシ

どんな機械ですって?

強靭な糸の囲いみたいなもんだって書いてある。

彼女がいそうな建物や場所の回りを、その糸ですぽっと囲っちゃうんだってさ

おわんみたいにですか?

そうそう。すげー機械

 資料の最後まで目を通し、俺はベッドに横になる。

魔力対機械の世界か……なんだか不思議だね

 俺はゆっくりと目をとじる。先ほど眠ったはずなのに、また睡魔が襲ってきた。

 いつか魔法が使えたらと夢見てきたが、まさか魔法を使う人を殲滅しようとする世界に来てしまうなんて……複雑な気分だ。

俺、魔法好きなんだけどなあ

 まどろみながら、ひとりごちる。

 サンザシは、何も言わずに俺の言葉を待っているようだ。

なんでだろうなあ

 夢があるからかな、と考えながら、夢に落ちていく。

そういえば、今何時なのかな

 夢への入り口にたちながら、なんとかサンザシに訊ねる。

夜の一時です

 そんなに夜中なのか……あの人たちは、夜遅くまで俺を待っていたのか……。

じゃあ、ねるよ、おやすみ――

はい、おやすみなさい、崇様

 夢にずるずると引っ張られながら、俺はふと、思い出す。
 思い出す。


 今のサンザシの言葉。
 ずっと前にも、どこかで――。

4 忌むべき魔法は隠れた青色(6)

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